<初心者に教えてあげたいオートバイの防寒対策について>
大型自動二輪免許を取得してまもなく丸5年を迎える比較的初心者ライダーの自分の過去数年の真冬は、防寒対策に明け暮れる日々だった。今日はそんな自分が試行錯誤の末に辿り着いた暫定の最強防寒対策を3つ紹介する。情報共有の一番の理由は、防寒アクセサリーの購入を検討している初心者ライダーの皆さんの出費抑制につながると思うからだ。
<結論>
オススメの防寒対策は以下の3つに集約される:
1)トップスは革ジャンの上にニット
2)手の寒さ対策は、どんな高級手袋よりも、ハンドルカバー
3)太腿対策は、マフラー
以下、各項目を理由と共に詳述する。
1)トップスは革ジャンの上にニット
バイクには革ジャン。異存のある人は少なかろう。しかし見た目にはカッコイイ皮ジャンだが、真冬の寒風にさらされると、外面は瞬く間に凍り付く。数十分も走行すると、外面の冷気が素材を中に伝わり、中に着ている衣類を冷やし、冷気はやがてインナーに達する。この状態になると走行は快適とは言い難くなる。ではどうしたら良いか?
ヒントは羊(ヒツジ)にあった。野生動物のヒツジは真冬に衣類を着なくても外で凍え死なない。そこでヒツジの防寒構造を精査したところ、皮膚の外に体毛を纏うという構造に気が付いた。これをライダーの衣類に当てはめると、革ジャンの上にニットを着るという構造にたとえることができる。早速実験したところ、予想は的中した。厚手のニットは、それ自体は風を通すために全く防寒にならないのだが、革ジャンの上に纏うと、革ジャン外面の温度低下の最大の原因である寒風の直撃が緩衝されて、革ジャンが冷えにくくなるのだった。
革ジャンの上に纏うニットは極論何でも良いと思う。今日はトレジャーファクトリーで0.1万円で買ったIndian Motorcycleというブランドの中古のニットジャケットを着ているが、昨年は、セカンドストリートで0.05万円くらいで買ったざっくり目の中古のニットを着た。前開きになっていてジッパーのついているものと、ホックで留めるタイプを二つ着まわしていた。風を遮るのが目的ではなく、革ジャンへの寒風の直撃を緩衝するのが目的なので、多少隙間が開いていても平気だ。
尚、この方法にはデメリットがある。レーシングタイプのバイクでは、親和性が未知だという点だ。クルーザーオーナーの自分からすると、レーシングタイプのライダーさんは、美意識が高い人が多いように見える。従って、私のオススメが受け入れられる可能性は低かろう。
一方、クルーザーバイクには、ニットでバイクといういで立ちが、かえってリラックス感を向上させるため、思いの外しっくりフィットする。クルーザーのオーナーさんは試されたい。
2)手の寒さ対策は、どんな高級手袋よりも、ハンドルカバー
手の寒さ対策は、どんな高級手袋を買うよりも、ハンドルカバーを買った方が良い。0.3万円程度で買える。ハンドルカバーは、1)でも解説した「寒風の直撃」を緩衝してくれる。その結果、装着している手袋の温度低下が限定的で済む。
「寒風の直撃」の恐ろしさと、「寒風の直撃を緩衝する」ことの効果を知らなかった最初の2年間に、どれだけの手袋を買っては試行錯誤を繰り返したことだろう。手袋は決して安くない。中には電気の力で温めてくれるタイプの物もある。グリップそのものを暖かくする設備投資も存在する。電気で手そのものを温める手袋は、個人的に試したことは無いので評価は控える。読者の皆さんが、各自試されたい。一方、グリップヒーターについては、幼馴染の元ライダーから「役に立たない」と聞かされていたので、無駄に散在せずに済んだ。尚、グリップヒーターに関する前述の評価は彼の私見なので、投資に見合った価値を見出す人が居ても驚かない。そうした方々は今後もグリップヒーターを利用されよう。
私の今回の主張は、0.3万円前後の投資で、手の寒さ問題は、ほぼ恒久的に解消できる、というものだ。そしてハンドルカバーは、雨が降っても手袋が濡れないメリットもある。
これは余談だが、グリップヒーターを装着しているライダーさんがハンドルカバーをも装着したら手元の暖かさはどうなるだろう?私はそこまで散在する気はないが、定めし常夏のハワイのような暖かさに包まれるに違いない。
そんなハンドルカバーも2点弱点がある。1点目は、シンプルに見た目がダサいこと。2点目は、ウインカーやライトの操作が、少しだけぎこちなくなる点だ。カバーごしの操作になるからである。しかしこれはしばらくすると馴れる。
一方、1点目のダサさ問題につける薬は・・・無い。「ダサかっこ良い」と開き直るしかすべはない。
3)太腿対策は、マフラー
太腿の対策は、マフラーだ。首に巻くのではない。家にある使っていないマフラーをボトムスの腿の前面に差し入れるのだ。厚手の物ほど効果が高い。今日の私は、セカンドストリートで0.05万円で買ったMade in Italyの超暖かいウール100%のマフラーを4つ折りにして差し入れている。これが超絶に暖かい。今日はLevi'sのデニムで最高気温11℃の千葉県中部の山間部を走行したが、皮パンにマフラー無しより、デニム+マフラーの方が相対的に暖かいと感じる。これを皮パン+マフラーにしたら、長年懸案だった太腿問題も、ほぼ恒久的に解消できると自信を育んだ。
しかしここに至るまでの道のりは楽ではなかった。昨年は、ワークマンのフュージョンダウンのハーフパンツをワットマンという古着屋で0.05万円程度で買い求め、それをボトムスの外に穿いたり、中に穿いたりして試した。
結論から言うと、この方法は、「防寒」の一点に絞れば、「合格」だった。しかし別の点で及第点をあげられなかった。それは「装着・脱着の手間」だ。目的地に着いた後、ボトムスの上に装着したフュージョンダウンのハーフパンツは、そのままでは町を歩けない。脱ぐためには厳ついロングブーツを脱がないといけない。面倒くさい。フュージョンダウンのハーフパンツを中に穿いている場合は、襁褓(むつき)をはめた赤ん坊のように尻の周りが膨らんでダサい。脱ぐためには公衆トイレでブーツを脱ぐ必要があり、これまた面倒だ。
一方、ボトムスに差し入れたマフラーは腰のボタンを数個外せばすぐに引き抜ける。駐車場のように人目の少ない場所であれば10秒もかからない。靴の脱着・再装着も不要だ。
尚、この方法が効果的である一番の理由は、寒風の直撃を受けるボトムスの外面の冷気が、肌に届きづらいことにある。ウールのマフラーは4つ折りにすると7~8mmの厚みになるのではないか?この距離、そして人間の体温を保持する天然素材の特質のおかげで、凍てついた外気の皮膚への直撃が、著しく緩衝されるのだろう。
<まとめ>
今日は、初心者に教えてあげたいオートバイの防寒対策について3点解説した。それは以下の3点だ:
1)トップスは革ジャンの上にニット
2)手の寒さ対策は、どんな高級手袋よりも、ハンドルカバー
3)太腿対策は、マフラー
上記は、これからバイクライフをエンジョイしようと思っている初級ライダーさんにとって極めて有益だ。なぜならば、真冬の快適ライドの最大の要と言える防寒問題に、安価な解決策を提供するからだ。浮いたお金は、2年後の車検費用に回すと良い。車と違ってバイクは何かと整備にお金がかかるので。
皆さんの快適バイクライフの参考になれば望外の喜びです。まる。